2007.07.04
DTP時代の色校正について その2 色評価用光源
***

いきなりだが、上のグレースケールで、A〜19までちゃんと区別できて、グレーの色がニュートラルグレーに見えているなら、あなたのモニタはとりあえず大丈夫である。
しかし、Aと1、18と19の区別がつかなかったり、グレーが変に赤かったり、青かったりしたら、写真を見るには適さないのでモニタの調整が必要だ。キャリブレーションツールがあるならそれにこしたことはないが、フォトショップがインストールされているなら、Adobe Gammaで調整できる。それもないなら、このグレースケールを見ながらモニタのコントラストを下げると、階調は多少改善されると思う。

この四角がニュートラルグレーに見えればカラーバランスは問題ない。
●
DTPで色の問題を取上げようとすると、普通、CMS(カラーマネジメント・システム)から始めることになる。しかし、モニタのキャリブレーションやICCカラープロファイル、ガモットなどという話はややこしいし、面白い話でもないからスキップすることにしたい。それよりも、多少断片的になるかも知れないが、すぐにでも役に立つ話に絞りたいと思う。
昨日は色校正機の種類の話をしたが、今日はその後の、色校正作業の光源についてである。印刷のための光源としては、日本印刷学会による推薦規格が定められており、色評価条件の共通化が図られている。いわゆるD50と呼ばれる光源が印刷の環境光である。色温度5000k(ケルビン)で、平均演色評価数=Ra90以上でなければならないと規定されている。
めんどうだけど、光源について、ここでざっと基本的なことをおさえておきたい。
色彩を正しく見るには、
(1)演色評価指数 Ra90以上
(2)色温度 5000〜6500K
(3)明るさ 2000ルクス以上
が条件とされている。
(1)の演色評価指数というのは、基準となる太陽光(※1)にどれだけ近いかを示す指数で、数値が高いほど優れていて、100が理想である(つまり太陽光と同じスペクトル)
(※1 基準の太陽光とは晴天正午±2時間に地表に届く光のことである。太陽光であっても朝夕の光では演色性は良くない。)
(2)の色温度は、ここでは、白の色と考えることにする。
白といっても、実際はスノーホワイトからベージュに近い白までグラデーションがあり、色温度によって白の見え方が違ってくる。色温度が高いほど青っぽい白になり、低いほど黄色っぽい白になる。
具体的に言うと、テレビの色温度は9300kである。コンピュータのモニタも出荷段階での色温度はテレビと同じ9300kに設定されている(最近ではウェブのカラースペース=sRGBに合わせて6500Kに初期設定されたモニタもあるようだ)。9300kの白は青白い白になる。(電球やろうそくの光が黄色っぽく見えるのは色温度が低いためである。)
印刷物の環境光の色温度が5000Kに規定されているのは、標準的な印刷用紙の白に合わせたためである。(今となってはこの規格は古いかも知れない)。しかし、色温度にあまり神経質になることはない。5000〜6500kの間でいいと思う。デジタルカメラを使った事のある人はホワイトバランスという機能を知っていると思うが、あれは色温度を変化させているのである。
(3)の明るさは、ちゃんと明るい場所で見なさいということである。
ただし、色校正には2000ルクスも必要ないと思う。普通に明るければよい。
こうして列挙するとやっかいなことのように感じるが、要するに、色校正は、色温度5000k〜6500k程度で、太陽光に近い性質を備えた明るい光源の下で見なさいということである。逆に言うと、この条件を満たさないと、色が違って見える可能性が生じるということである。
※モニタを購入時のままつかている人は、色温度が9300kになっている可能性があるので6500kに変更するといい(安価なモニタは5000kまで下がらないかもしれない)。
こんな話は楽しくないと思う。話すほうもいいかげん嫌になってきたので、話をはしょって、色校正に使う蛍光灯の話に進みたい。
会社で多く使われている蛍光灯は、明るさをかせぐため、青・緑・赤の3波長域のスペクトルを強調した3波長蛍光灯と呼ばれるタイプである。この蛍光灯は、全体にまんべんなく色が分布している太陽光とは色が違って見えるため、色校正には向かない光源である。色校正ばかりでなく、会社の蛍光灯の下でメイクを直している女性も気をつけた方がいい。デート先であっと驚く結果を招きかねない(余計なお世話だが)。

FPL-27ANX
しかしそうはいっても、会社の天井の蛍光灯を高演色性の蛍光灯に変えるのは現実的な話ではない。普通の蛍光灯よりは高価だし明るさも落ちる。そこで考えられるのは、机の上に演色性のよいデスクスタンドを設置することである。ただ設置スペースの余裕が無いかもしれない。お勧めは、三菱オスラム社の色評価用コンパクト蛍光灯、FPL-27ANXである。従来は事務所用の長いサイズの直管形状しかなかったが、この蛍光灯はコンパクトなのでスペースをそれほど取らないですむ。Raも95で合格だし、27wで明るさも十分である。
ちなみに私は日立製卓上タイプ形 FS2218E-Hを使っていて、Ra99と立派だが、こちらはそれなりにスペースを取るのが難点である。別にこれらの製品にこだわることはない。高演色性とか、色評価用とうたったAAAの性能をもつ機種なら大丈夫である。

デスクスタンドの設置も難しいという人は、せめて演色性検査カード(1000円)を購入して、自分の光源のチェックをして欲しい。使い方も簡単である。演色性の悪い光源では上の画像にある二つのグレーの色が違って見えるので、この二つのグレーが同じに見える場所で校正すればいいだけだ。こちらから購入できる。
必要以上に神経質にならなくてもいいが、自分がどんな光源下で見ているかぐらいは意識しながら色校正を見て欲しいと思うのである。
(つづく)
次回は、オンラインワークフローについて
雑誌広告基準カラー
富士ゼロックスの色校支援サービス「inter-Graphics」
CTP
---など。
資料:蛍光灯の色温度(wikipediaより)
* 三波長発光形蛍光灯 - EX
* 昼光色(6500K) - D
* 昼白色(5000K) - N
* 白色(4200K) - W
* 温白色(おんぱくしょく。3500K) - WW
* 電球色(2800K) - L

いきなりだが、上のグレースケールで、A〜19までちゃんと区別できて、グレーの色がニュートラルグレーに見えているなら、あなたのモニタはとりあえず大丈夫である。
しかし、Aと1、18と19の区別がつかなかったり、グレーが変に赤かったり、青かったりしたら、写真を見るには適さないのでモニタの調整が必要だ。キャリブレーションツールがあるならそれにこしたことはないが、フォトショップがインストールされているなら、Adobe Gammaで調整できる。それもないなら、このグレースケールを見ながらモニタのコントラストを下げると、階調は多少改善されると思う。

この四角がニュートラルグレーに見えればカラーバランスは問題ない。
●
DTPで色の問題を取上げようとすると、普通、CMS(カラーマネジメント・システム)から始めることになる。しかし、モニタのキャリブレーションやICCカラープロファイル、ガモットなどという話はややこしいし、面白い話でもないからスキップすることにしたい。それよりも、多少断片的になるかも知れないが、すぐにでも役に立つ話に絞りたいと思う。
昨日は色校正機の種類の話をしたが、今日はその後の、色校正作業の光源についてである。印刷のための光源としては、日本印刷学会による推薦規格が定められており、色評価条件の共通化が図られている。いわゆるD50と呼ばれる光源が印刷の環境光である。色温度5000k(ケルビン)で、平均演色評価数=Ra90以上でなければならないと規定されている。
めんどうだけど、光源について、ここでざっと基本的なことをおさえておきたい。
色彩を正しく見るには、
(1)演色評価指数 Ra90以上
(2)色温度 5000〜6500K
(3)明るさ 2000ルクス以上
が条件とされている。
(1)の演色評価指数というのは、基準となる太陽光(※1)にどれだけ近いかを示す指数で、数値が高いほど優れていて、100が理想である(つまり太陽光と同じスペクトル)
(※1 基準の太陽光とは晴天正午±2時間に地表に届く光のことである。太陽光であっても朝夕の光では演色性は良くない。)
(2)の色温度は、ここでは、白の色と考えることにする。
白といっても、実際はスノーホワイトからベージュに近い白までグラデーションがあり、色温度によって白の見え方が違ってくる。色温度が高いほど青っぽい白になり、低いほど黄色っぽい白になる。
具体的に言うと、テレビの色温度は9300kである。コンピュータのモニタも出荷段階での色温度はテレビと同じ9300kに設定されている(最近ではウェブのカラースペース=sRGBに合わせて6500Kに初期設定されたモニタもあるようだ)。9300kの白は青白い白になる。(電球やろうそくの光が黄色っぽく見えるのは色温度が低いためである。)
印刷物の環境光の色温度が5000Kに規定されているのは、標準的な印刷用紙の白に合わせたためである。(今となってはこの規格は古いかも知れない)。しかし、色温度にあまり神経質になることはない。5000〜6500kの間でいいと思う。デジタルカメラを使った事のある人はホワイトバランスという機能を知っていると思うが、あれは色温度を変化させているのである。
(3)の明るさは、ちゃんと明るい場所で見なさいということである。
ただし、色校正には2000ルクスも必要ないと思う。普通に明るければよい。
こうして列挙するとやっかいなことのように感じるが、要するに、色校正は、色温度5000k〜6500k程度で、太陽光に近い性質を備えた明るい光源の下で見なさいということである。逆に言うと、この条件を満たさないと、色が違って見える可能性が生じるということである。
※モニタを購入時のままつかている人は、色温度が9300kになっている可能性があるので6500kに変更するといい(安価なモニタは5000kまで下がらないかもしれない)。
こんな話は楽しくないと思う。話すほうもいいかげん嫌になってきたので、話をはしょって、色校正に使う蛍光灯の話に進みたい。
会社で多く使われている蛍光灯は、明るさをかせぐため、青・緑・赤の3波長域のスペクトルを強調した3波長蛍光灯と呼ばれるタイプである。この蛍光灯は、全体にまんべんなく色が分布している太陽光とは色が違って見えるため、色校正には向かない光源である。色校正ばかりでなく、会社の蛍光灯の下でメイクを直している女性も気をつけた方がいい。デート先であっと驚く結果を招きかねない(余計なお世話だが)。

FPL-27ANX
しかしそうはいっても、会社の天井の蛍光灯を高演色性の蛍光灯に変えるのは現実的な話ではない。普通の蛍光灯よりは高価だし明るさも落ちる。そこで考えられるのは、机の上に演色性のよいデスクスタンドを設置することである。ただ設置スペースの余裕が無いかもしれない。お勧めは、三菱オスラム社の色評価用コンパクト蛍光灯、FPL-27ANXである。従来は事務所用の長いサイズの直管形状しかなかったが、この蛍光灯はコンパクトなのでスペースをそれほど取らないですむ。Raも95で合格だし、27wで明るさも十分である。
ちなみに私は日立製卓上タイプ形 FS2218E-Hを使っていて、Ra99と立派だが、こちらはそれなりにスペースを取るのが難点である。別にこれらの製品にこだわることはない。高演色性とか、色評価用とうたったAAAの性能をもつ機種なら大丈夫である。

デスクスタンドの設置も難しいという人は、せめて演色性検査カード(1000円)を購入して、自分の光源のチェックをして欲しい。使い方も簡単である。演色性の悪い光源では上の画像にある二つのグレーの色が違って見えるので、この二つのグレーが同じに見える場所で校正すればいいだけだ。こちらから購入できる。
必要以上に神経質にならなくてもいいが、自分がどんな光源下で見ているかぐらいは意識しながら色校正を見て欲しいと思うのである。
(つづく)
次回は、オンラインワークフローについて
雑誌広告基準カラー
富士ゼロックスの色校支援サービス「inter-Graphics」
CTP
---など。
資料:蛍光灯の色温度(wikipediaより)
* 三波長発光形蛍光灯 - EX
* 昼光色(6500K) - D
* 昼白色(5000K) - N
* 白色(4200K) - W
* 温白色(おんぱくしょく。3500K) - WW
* 電球色(2800K) - L
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