『本当のところ、なぜ人は病気になるのか?』
早川書房 2008年7月刊
ダリアン・リーダー&デイヴィッド・コーフィールド 著 小野木明恵 訳
イラスト:大塚砂織
四六判 並製

病気

「ゆるいデザイン」の定義を、「文字やイラストの位置が2〜3ミリずれても基本デザインがゆるがないような骨太のデザイン」と一応定めてみる。
上の装丁はそうした「ゆるいデザイン」を心がけてデザインしたものだが、なかなか思うようにはいかなかった。
イン・デザインを使ってレイアウトしているが、インデザインのカーソル移動はデフォルトで1歯だから1/4ミリが最小移動である。2〜3ミリのずれを気にしないどころか、結局この1/4ミリのカーソルを何度も移動させて最終的な位置決めをするありさまだった。大塚砂織さんの洒脱なイラストに助けられて、なんとかゆるい感じは出せたと思うが、どうも「ゆるいデザイン」が苦手だ。

タイトルは既成のフォントだが、一文字づつ大きさや角度を変えて変化をつけた。インデザインはこのあたりの自由度が素晴らしい。
もうひとつ心がけたのが「フラット・デザイン」で、当初はイラスト以外の文字色はグレー一色にするつもりでいた。しかし、あまりに地味すぎるので自主規制して色をつけてしまった。つい全体のバランスを考えてまとめてしまう。テーマを徹底できないあたりが職人である自分の限界かもしれない。

帯はとっぱらった。
128ミリ×188ミリしかない小さな四六判サイズの下1/3近くを占領する帯はデザインの大きな制約だ。その制約をなんとか解消する手段として、カバーデザインと一体化された帯を装丁家自身が制作するようになって久しい。近頃ではカバースペースの半分を占める幅広の帯も珍しくなく、帯とカバーの関係があいまになっているように感じる。
帯を別紙にする必要性がどれだけあるだろう? という疑問は前から持っていた。どうせ必要なものならカバーデザインの中にとりこんでもかまわないだろう。その方がコストの低減にもなる。
この考えを進めると、帯テキストはなにも下にある必要はない。もっとカバーデザインと渾然一体となってもかまわないのかもしれない。それを積極的に提案するつもりはないが…。

次回(たぶん明日)は、私のこれまでの仕事から、帯とカバーが一体になったデザインをピックアップして両者の関係を考えてみることにする。



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